薪ストーブの住まい

主暖房は薪ストーブ。 酪農一家が寄り添う 高性能住宅

3人目の子どもが生まれたことをきっかけに、満を持して家づくりをスタートさせたWさん一家。牧場敷地内の森を切り開くところから、家づくりが始まりました。I字型に配置されたリビング・ダイニングの大きな窓からは、牛たちがくつろぐ様子が見えます。子どもたちは、窓から見える牛たちや、父母や祖父母が一生懸命作業する姿を眺めて大喜び。同じ敷地内での暮らしは、子どもたちと大人たちが互いの様子を感じながら過ごせ、「やっと家族がひとつになったみたい」と感じたそうです。

新居は、道南スギの外壁やカラマツの床、珪藻土の塗り壁など、芦野組らしい温もりに満ちたデザインに仕上がりました。機能面では、家族用のエントランスとして裏玄関を設けることで、外での作業の土ぼこりなどを持ち込まない仕組みにしつつ、牛舎で何かあれば深夜でも駆け付けられるように寝室を1階にするという希望も叶いました。

そして、芦野組の完成見学会で感じたやわらかな暖かさが気に入り、主暖房に薪ストーブを取り入れることを決めました。屋根の勾配に沿って暖かい空気が2階の隅々まで行き届きます。補助暖房として、玄関や水まわりには床暖房を施し、寒冷地用エアコンも設置していますが、断熱・気密性の高さから床暖房のみで十分な暖かさを保つことができ、2月に入居してから春まではほとんど薪ストーブの出番はなかったそうです。

北海道が地元ではない奥さんは、北国の冬に慣れないところもありましたが、明るく暖かい家と薪ストーブのある暮らしで「これからは冬が来るのも楽しみになりそう」とほほ笑みます。

裏玄関からリビングまでの通路となるクロークは、カラマツ合板でひと味違う雰囲気を演出
家族用のエントランスからつながるママスペースでは家族の事務処理を一気にこなせる。「毎日2時間は過ごしていますね」という家事の要の場所
奥行きのある直線的なLDKは、家族みんなでくつろげる空間。造作のオープン本棚も設置した
屋根なりの勾配を生かしたリブ天井は味わいがあり、LDKの奥行き感をさらに増してくれる
気密パントリーを備え、幅広で使いやすい対面式キッチン。落ち着いた色味のタイルも空間と調和する
FIX窓からの自然光で明るい洗面スペース。「帰宅後の手洗いが明るくて気持ち良く、ホッとします」と奥さん
玄関からつながる土間スペースには、シンプルで力強い魅力を持つドブレの薪ストーブを設置。天井の勾配に沿って家全体を暖める
フリースペースに面する大容量のファミリークローゼットと子ども部屋
2階のスタディコーナーは階下の様子が感じられながらこもり感もあり集中できるスペース
子ども部屋は爽やかなグリーンのアクセントクロス。コンパクトながらも勾配天井による高天井で開放感がある
2階のフリースペースは将来分割して子ども部屋にできる仕様。ハーフ吹き抜けで、床面積と階下の適温を確保できるつくりに