株式会社 芦野組

instagram

住まいの実例

趣味を楽しむ暮らしを実現した ステンドグラスと木の家

旭川町・Aさん宅/夫婦60代、子ども1人

コメント・お客様の声・DATA

大きな連窓から柔らかな光が注ぐダイニング。テーブルはカツラの無垢材を使用した造作。「間取り自体大きな変更はあまりしていないんです。これまでの住まいと雰囲気は全く違いますが、おかげで違和感がなく、すぐに馴染むことができました」と奥さん

ステンドグラスの照明が彩るキッチン。勝手口からウッドデッキに出ることもできる

かつて洋室だった場所に、洗面台・洗濯機・浴室などの水まわりを直線に整えた

ロフトのような2階空間は、Aさんたっての希望。「1階は低めの天井高なのですが、勾配天井と吹き抜けがもたらす開放感が気持ち良いんです」

2階のフリースペースは現在息子さんが使用中。将来的には来客用のスペースにする予定

昔の物置の一部と浴室スペースを使って新たに設けた猫たちもくつろぐ夫婦の寝室

車庫だったスペースはそのままアトリエに。奥さんがステンドグラスを、息子さんがシルバーアクセサリーを制作するものづくり空間となった。「出窓の棚に作品が並んでいるので、時々お店に間違えられるんです」と笑顔の奥さん

アトリエへと向かう扉。室内のすべての建具にステンドグラス作品が埋め込まれている

薪ストーブのある広い土間玄関は、4.5帖の洋室と既存の玄関スペースをつなげて実現。ランダムに埋め込まれたレンガタイルがアクセントに。玄関ドアのほか、テラスドアからの出入りも可能なので、薪の持ち運びがスムーズ

シューズクロークの扉は取り壊された古い家のもので、今では貴重なスギの一枚板。「実はトイレの扉なんです。今、表にしているのが本来は内側になるんですよね。鍵も当時のものなんですよ」とAさん。シューズクロークの中には収納専用の小屋裏スペースがある

トドマツ板張りの外観。手前がアトリエになる。表札は奥さん手づくりのステンドグラス仕様

コメント

 昭和40年代に建てたというAさんご一家の住まいは、小屋裏を含めた3階建ての二世帯住宅。修繕や増築など手を加えながら、長い年月を過ごしてきました。
 リノベーションを決めたのは、90歳を超えたお母さんが施設への入居を決めた一昨年のこと。2階で暮らしていたAさんご夫妻も階段が負担になってきたこともあり、家族で検討した結果、基礎と土台の一部だけを残した大規模なリノベーションを行うことになりました。依頼先は無垢材や珪藻土など、自然素材をふんだんに使った心地よい住まいづくりに定評のある芦野組です。
 ご夫妻が新しい住まいに求めたのは、「趣味を生かした開放的でシンプルな住まい」。2階はロフト的なフリースペースと納戸付きの洋室の2部屋に絞り、ほぼ平屋的に暮らせるような減築リノベーションを選択。1階から続くリブ仕上げの勾配天井が、開放感をもたらしています。
 新たな住まいを彩るのは、奥さんが制作したステンドグラスの数々。10年以上つくり続けているというステンドグラス作品が、建具や壁など室内の至る箇所に配されています。無垢材との相性も良く、美しくやさしい空間に仕上がりました。車庫だったスペースは、奥さんとシルバーアクセサリー職人である息子さんのアトリエになっています。
 Aさんが一番お気に入りの場所は、薪ストーブのある広い土間玄関。「妻はアトリエにこもり、僕は薪をくべたり、炎を見たり。ここにいる時間が一番長いかも」と、念願の薪ストーブライフを満喫中です。

住宅雑誌Replan128号 掲載物件

お客様の声

歳を重ね、一番負担になっていたのが階段でした。母の暮らしていた1階をメインに生活するという案も当初はありましたが、よりコンパクトに暮らすことが今後のためにも良いという結論に至り、リノベーションを決めました。所狭しと置かれていたステンドグラス作品を、車庫をアトリエに変え、展示する棚も設けたことでスッキリできたことがとても嬉しかったです。ステンドグラス作品をつくる際に発生するガラスの破片を、一緒に暮らす愛猫が誤って踏んでしまわないか、ということを常に気にしていたので、アトリエの扉だけ引き戸にし、猫たちが入ってこられないようにしました。連窓から射し込む陽の光、勾配天井がもたらす開放感、ものづくり環境の整ったアトリエに、主人念願の薪ストーブなど、新しい住まいは趣味と暮らしが楽しめる快適な空間になりました。

建築データ

<リノベーション面積>延床面積/127.00㎡(約38坪)、減築面積/65.00㎡(約19坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/砂付ルーフィング葺、外壁/トドマツ荒木木酢塗・板金蟻掛葺、建具/玄関ドア:m.a.p 木製断熱ドア、窓:YKK AP 樹脂サッシ(トリプルガラス) APW430
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁/ケンコート塗、天井/ビニールクロス・ラーチ合板・ケンコート塗
<断熱仕様> 床・壁/高性能グラスウール16㎏105㎜+105㎜、屋根/ロックウール吹込286㎜

工事期間/平成30年11月〜平成31年3月(約5ヵ月)