北海道で暮らしたことのない私にとって、もっとも心配だったのが冬の寒さでした。北国の住宅仕様ついての基礎知識がなく、東川町への移住は楽しみである反面、不安の気持ちの方が大きかったというのが正直なところです。そんな私に安心感をもたらしてくれたのが、「完成後からの方が長い付き合いになりますよ」という芦野組の言葉です。何か困りごとがあったらすぐに相談に乗ってくれる頼もしさ、住宅性能や薪ストーブについて私の素人質問にも丁寧に答えてくれる姿勢、そして「建てて終わりではない」という誠実さが非常に心強く、少しずつこの地で暮らす覚悟が出来ていったように思います。新居で初めて迎えた夏は室内はいつも快適で、改めて断熱の高さを実感。冬の暮らしも楽しみになりました。
住まいの実例
雄大な山容をパノラマで望む 第二の人生を豊かに過ごす自然になじむ木の家
コメント・お客様の声・DATA
LDKはどこから見ても外の景色を望むことができる。屋根なりの勾配を生かした板張りの天井が室内の表情をより豊かにしている
キッチンの壁はレンガを採用。「油ハネなどの汚れも、レンガだと味わいの一つになるので手入れ不要で楽です」と奥さん。壁付けのキッチンはウッドワン製で、収納がオープンになっているタイプ。作業台や背面収納の造作と合わせて違和感なくなじませた
構造用の柱は、LDKをゆるやかにゾーニングしてくれる
美しい景色がパノラマに広がるLDK。コンクリート平板を敷き薪ストーブの炉台を兼ねた土間とリビングがフラットにつながる
ウッドデッキが続く南西の大開口の先には、山々が美しい稜線を描く絶景が広がる
1階の寝室。周囲の視線を気にすることなく、明るさを取り込むハイサイドライトからの光が心地よい
造作の洗面台と鏡の間に設けた窓からの自然光が手元を明るく照らす
カウンターを設けた2階ホールは、書斎としても活用できる多目的空間。空を切り取る窓と階段吹き抜けが開放感をもたらす
玄関ホールからリビングを見る。左手に浴室や洗面台、右手に寝室が配されている。カラマツの無垢床は、節が表情に深みを与える
歳を重ねても快適に暮らせるようにと、靴の脱ぎ履きをする際の手すりを造作した玄関。しっかりと容量を確保したシューズクロークも便利
Sさんご夫妻が心惹かれたという豊かな自然と調和する道南スギの外観。ウッドデッキを介して薪の持ち運びができるように動線を考えて薪棚を設置している
カラマツ材を使用し、物置一体型のカーポートを造作
コメント
住宅雑誌Replan143号 掲載物件
お客様の声
建築データ
構造規模/木造（新在来工法）・2階建て
延床面積/130.83㎡（約39坪）
＜主な外部仕上げ＞ 屋根/アスファルトシングル、外壁/道南スギ板張、建具/玄関ドア：木製断熱ドア、窓：樹脂サッシ（トリプルガラス） 一部木製サッシ
＜主な内部仕上げ＞ 床/カラマツ無垢フローリング、壁/珪藻土、天井/合板リブ
＜断熱仕様 充填断熱＋付加断熱＞ 基礎/ビーズ法ポリスチレンフォーム180㎜、土間下／ビーズ法ポリスチレンフォーム50㎜、壁/高性能グラスウール16㎏105㎜×3、屋根/吹込ロックウール391㎜
＜暖房方式＞ 薪ストーブ・寒冷地用エアコン・床暖房
＜冷房方式＞ 寒冷地用エアコン
工事期間/令和5年3月〜6月（約4ヵ月）
転勤族のSさんと東京在住だった奥さんは、50代でのアーリーリタイアを選択。旭川出身であるSさんの「故郷の近くで暮らしたい」という希望に奥さんが応え、夫婦で東川町に移住しました。
「北海道で暮らす家は、北海道の会社で建てたい」と考えたご夫妻が、リプランで見つけたのが芦野組。「上質さのある雰囲気の木の家で、住宅性能も高いので安心できました」と、奥さんは語ります。Sさんご夫妻が新天地で挑戦したかったのが薪ストーブのある暮らし。大雪山系の美しい稜線と炎のゆらめきを眺める豊かな日々がプランの核となりました。
完成した新居は、歳を重ねても快適に暮らせるように1階に寝室を含めた生活空間を集約。2階は客間を兼ねた趣味室と多目的に使えるホールのみで構成された平屋的なプランです。住まいの中心は、雄大な山容をパノラマで室内に呼び込む開放的なLDK。現しの梁や柱、床材のカラマツ、造作家具のタモ、珪藻土の塗り壁など、自然素材が織りなす室内は住まいを取り巻く景色と調和する心地よい空間です。土間には念願の薪ストーブが鎮座し、炎と暮らす豊かな時間を演出します。
「生まれも育ちも東京の私にとって北国での暮らしは初めてのこと。断熱・気密・薪ストーブのことを芦野組は丁寧に教えてくれました。家づくりを通して徐々にここでの暮らしをイメージできました」と笑顔の奥さん。初めて迎える冬に向けて、薪の支度も暮らしを楽しむ準備も万端です。