家族で酪農業を営んでいるので、昼夜を問わず作業に追われることがあります。牧場から車で5分という近場で暮らしていましたが、敷地内に新築できたことで、夫婦ともに時間を有効に使えるようになりました。夫は、作業中に子どもたちが遊ぶ様子を見かけると心が和むようです。私も、家事や事務など家庭での仕事と、酪農作業のサポートなどがしやすくなりました。何より子どもたちの成長を見守りながら仕事ができ、子どもたちにも働く姿を見せることができるのが嬉しいです。
住まいの実例
薪ストーブと天然素材の温もりに包まれた酪農家住宅
コメント・お客様の声・DATA奥行きのある直線的なLDKは、家族みんなでくつろげる空間。造作のオープン本棚も設置した
気密パントリーを備え、幅広で使いやすい対面式キッチン。落ち着いた色味のタイルも空間と調和する
屋根なりの勾配を生かしたリブ天井は味わいがあり、LDKの奥行き感をさらに増してくれる
FIX窓からの自然光で明るい洗面スペース。「帰宅後の手洗いが明るくて気持ち良く、ホッとします」と奥さん
家族用のエントランスからつながるママスペースでは家族の事務処理を一気にこなせる。「毎日2時間は過ごしていますね」という家事の要の場所
2階のスタディコーナーは階下の様子が感じられながらこもり感もあり集中できるスペース
子ども部屋は爽やかなグリーンのアクセントクロス。コンパクトながらも勾配天井による高天井で開放感がある
2階のフリースペースはハーフ吹き抜けで、床面積と階下の適温を確保できるつくりに
玄関からつながる土間スペースには、シンプルで力強い魅力を持つドブレの薪ストーブを設置。天井の勾配に沿って家全体を暖める
裏玄関からリビングまでの通路となるクロークは、カラマツ合板でひと味違う雰囲気を演出
段違いの勾配屋根と道南スギ板張りの外壁で、芦野組ならではの落ち着きのある外観
コメント
住宅雑誌Replan141号 掲載物件
お客様の声
建築データ
構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/132.48㎡(約40坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/アスファルトシングル、外壁/道南スギ板張、建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:樹脂サッシ(トリプルガラス)
<主な内部仕上げ> 床/カラマツフローリング、壁/珪藻土 一部クロス、天井/珪藻土
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/ビーズ法ポリスチレンフォーム180㎜、土間下/ビーズ法ポリスチレンフォーム50㎜、壁/高性能グラスウール16㎏105㎜+210㎜、屋根/吹込ロックウール391㎜
<暖房方式> 薪ストーブ・床暖房・エアコン
工事期間/令和4年7月〜令和5年2月(約8ヵ月)
結婚当初から持ち家を希望していたWさんご夫妻でしたが、情報収集するものの、なかなか決め手につながらず、タイミングも合わないまま、牧場から車で5分の距離のアパートに居を構えていました。
しかし、3人目の子どもが生まれたとき、満を持して家づくりを再決意。リプランに掲載されていた芦野組の無垢材を使った雰囲気が気に入り、完成物件を見学すると、自然素材と特徴ある美しい勾配天井に一目ぼれ。また、構造や性能、長年にわたって北国の暮らしを研究する姿勢に信頼度も増し、新築を依頼することに。牧場敷地内の森を切り開くところから、家づくりが始まりました。
I字型に配置されたリビング・ダイニングの大きな窓からは、牛たちがくつろぐ様子が見えます。子どもたちは、窓から見える牛たちや、父母や祖父母が一生懸命作業する姿を眺めて大喜び。同じ敷地内での暮らしは、子どもたちと大人たちが互いの様子を感じながら過ごせ、「やっと家族がひとつになったみたい」と感じたそうです。
見学会に足を運んだとき、「自然素材が心地よく、明るくて暖かい」と感じたWさんご夫妻。新居は、道南スギの外壁やカラマツの床、珪藻土の塗り壁など、芦野組らしい温もりに満ちたデザインに仕上がりました。
機能面では、家族用のエントランスとして裏玄関を設けることで、外での作業の土ぼこりなどを持ち込まない仕組みにしつつ、牛舎で何かあれば深夜でも駆け付けられるように寝室を1階にするという希望も叶いました。
そして、見学会で感じたやわらかな暖かさが気に入り、主暖房に薪ストーブを取り入れることを決めました。屋根の勾配に沿って暖かい空気が2階の隅々まで行き届きます。補助暖房として、玄関や水まわりには床暖房を施し、寒冷地用エアコンも設置していますが、断熱・気密性の高さから床暖房のみで十分な暖かさを保つことができ、2月に入居してからはほとんど薪ストーブの出番はなかったそうです。
北海道が地元ではない奥さんは、北国の冬に慣れないところもありましたが、明るく暖かい家と薪ストーブのある暮らしで「これからは冬が来るのも楽しみになりそう」とほほ笑みます。