新築するときに一番参考になったのは、農家の先輩たちが建てた住まいでした。旧居は古い町営住宅で、冬の寒さもひどかったです。芦野組で先に新築した先輩の家で冬の暖かさを体感して、性能面でもやっぱり間違いないと思いました。木を使った素朴でシンプルな建物の佇まいも、実は美瑛の新規就農者の間では風景に似合う家だと、人気があるんです。畑から眺めるわが家を見て納得しました。今はやんちゃ盛りの子どもたちですが、これから成長していくと家の役割も変わってくるでしょう。その変化も見据えたさまざまな提案も心強く感じました。楽しかった家づくりを思い返すと、これからも気軽に住まいの相談ができそうです。
住まいの実例
子どもの元気な声が響く 楽しさに満ちた農家住宅
コメント・お客様の声・DATAナラの無垢床とリブ天井、珪藻土を採用したリビング・ダイニングは自然の温もりたっぷり。窓からは、Yさんが好きな十勝岳連邦最北のオプタテシケ山も見える
タモとパインを用いた造作背面収納、大容量の食品庫、ミーレの食洗機を採用した使い勝手の良いキッチンは、忙しい奥さんの味方になった
天井なりの吹き抜けが心地よいダイニング。大きなサクラ材のテーブルは、近所の木工作家が仕上げた天板に、芦野組が脚を造作して完成させた。壁側には可動式造作学習机が並ぶ。将来は子ども部屋に移動する予定
ダイニング・キッチンの上には、窓からご夫妻自慢のトマトのハウスが見えるロフト風のフリースペースを設けた。現在はテレビを置いて、セカンドリビングとして活用している
ロフトベッドを備えたオープンな子ども部屋。子どもの成長に合わせて、造作建具で3室に分けられる。水色のアクセントウォールとカエデ無垢床が優しい雰囲気を演出
リビングに隣接するロフト付きの洋室は、子どもたちのお気に入りの遊び場。ロフトは2階の子ども部屋にもつながり、将来はご夫妻の寝室になる予定
タモを用いて造作した洗面台は、玄関ホールに隣接させ、帰宅後にすぐ手が洗えるようにした。小さな子どもが使いやすいよう踏み台も造作
2階子ども部屋前の廊下には、周囲の田園風景を切り取る採光窓も設けられている。住まいのあちこちにある窓からの風景も、ご夫妻自慢のインテリア
美瑛の田園風景に溶け込むような道南スギ板張りと片流れ屋根のYさん宅。これからリビングとつながるウッドデッキまわりの植栽を整える予定
コメント
住宅雑誌Replan131号 掲載物件
お客様の声
建築データ
構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/163.96㎡(約49坪)(カーポート含む)
<主な外部仕上げ> 屋根/アスファルトシングル、外壁/道南スギ板張、建具/玄関ドア:ガデリウス 木製ドア、窓:YKK AP 樹脂サッシ(Low-E・トリプルガラス・アルゴンガス入)APW430
<主な内部仕上げ> 床/1F:ナラ無垢フローリング、2F:カエデ無垢フローリング、壁/珪藻土+クロス、天井/リブ天井
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/押出法ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、床下/ビーズ法ポリスチレンフォーム(セルボード)50㎜、壁/高性能グラスウール16㎏105㎜+高性能グラスウール16㎏105㎜、屋根/吹込ロックウール290㎜
<暖房方式> パネルヒーター・薪ストーブ
工事期間/令和2年4月~10月(約6ヵ月)
リビングから続く洋室のロフトへ子どもたちが歓声を上げて駆け上がり、やがてセカンドリビングから笑顔が覗く。まるで建物全体がアスレチック遊具のような住まいが建っているのは、美瑛の谷筋に広がる田園地帯。
今から11年前、Yさん夫妻は「大自然の中で子育てをしたい」と札幌から美瑛町へ移住し、新規就農者として新たな道を歩き始めました。そして6年ほど前に「畑のそばに家を建て、子どもたちに働く姿を見せながら暮らしたい」と新築を決意。ご夫妻の理想のわが家像となったのが、トマト農家の先輩が住んでいた薪ストーブのある芦野組の家でした。「何より暮らしている家族がいつも幸せそうで、ここしかないと直感しました」と、Yさんは振り返ります。
そしてご夫妻は「3人の子どもたちが楽しく遊べる家にしたい」と新築を依頼。さらに奥さんは効率よい家事空間と動線も希望していました。芦野組は、子どもたちが一年中元気に駆け回れるよう、標準仕様に付加断熱を施したQ1.0住宅仕様の採用や、ナラやカエデなど、足触りの良い木を生かした内装などを提案しました。
2020年10月、ご夫妻が丹精して育てる畑のほとりに新居が完成。「願ったとおり、子どもの様子を見渡せ、どこにいても家族の声が届きます。家事がしやすく、畑にも近いので気持ちにゆとりが生まれて、夕飯のおかずが1品増えました」と、奥さんは笑顔で話してくれました。