仕事の都合でずっと転勤を繰り返していた私たち夫婦ですが、60歳を過ぎ、そろそろ定住地が欲しいと思い、思い出の地でもある東川町での新築を決めました。昔から音楽を楽しむのが趣味だったので、家づくりのコンセプトは『音楽堂のような響きを持つリビング』をつくること。音の響きを考えて、天井や壁、床の材質なども徹底的に追求したいと考えていたので、自然素材の扱いが得意な住宅会社を探して、出会ったのが芦野組でした。音の反響を考えたリブ形状仕上げの天井や、吸音率を高めるために藁を混ぜ合わせた漆喰の壁など、技術の高さは想像以上。私の細かな要望にも最後まで付き合ってくださり、音の響きにとことんこだわった結果、雄大な自然の中で至極の音を堪能できる理想のリビングが完成しました。
住まいの実例
家づくりは至極の音づくり 音楽堂の響きを持つ住まい
コメント・お客様の声・DATA音の響きを考え、天井と壁の一部はリブ形状仕上げに。開放感と木のぬくもりが同居する空間となった
玄関ホールには白塗装で仕上げた収納が。奥の寝室は10畳の広さ
「玄関とキッチンをつなげて、買い物から帰って来たらすぐに冷蔵庫に向かえるように動線を考えてくれたので楽ですね」と奥さん
「アイランド型キッチンは、広くて使いやすくお気に入りです」。収納を考えられた造作の食器棚とカウンターなど、奥さんへの配慮が行き届いたキッチンスペース
考え抜かれた音響環境の中、Bさんはジャズやクラシック、映画を楽しんでいる
連窓の向こうに広がる緑。その奥には忠別川が流れている。冬は薪をくべながら火のある暮らしを楽しむ
「2階で聴く音楽もなかなか良いですよ。天井の傾斜が音を反射するので、柔らかい音になるんです」とBさん
木の外壁が周囲の緑に溶け込んでいる。「おばあちゃんの木の家にまた行きたい、って孫が言ってくれました」と奥さん。除雪の手間が軽くなるカーポートも嬉しい
コメント
住宅雑誌Replan121号 掲載物件
お客様の声
建築データ
■建築データ
構造規模/木造(新在来木造構法)・2階建て
延床面積/158.36㎡(約47坪)(車庫・物置を含まず)
<主な外部仕上げ> 屋根/アスファルトシングル材、外壁/1F:トドマツ・2F:モルタ ル、建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:木製サッシ・樹脂サッシ
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁/珪藻土、天井/木板リブ
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/セルボード180㎜、土間/セルボード50㎜、壁/高性能グラスウール16㎏105㎜+105㎜+105㎜、屋根/ロックウ ール391㎜
<暖房方式> ガス温水暖房・薪ストーブ
工事期間/平成29年4月〜10月(約6ヵ月)
仕事の都合により、20回にも及ぶ転勤を繰り返していたというBさんご夫妻。60代となり、「そろそろ定住地が欲しい」と選んだ場所は、大雪山の麓にある自然環境に恵まれた東川町でした。旭川出身のBさんにとって、東川町はかつて祖父母が住んでいた第二の故郷。お二人が初めて出会った思い出の地でもあります。
玄関から、木の香りに誘われるように足を進めると、目の前に飛び込んでくるのは、高い吹き抜けのある大空間。開放感あふれるリビングには、音楽を愛するBさんのこだわりが詰まっています。「音の響きを考え、天井や壁、床の材質も徹底的に追求したいと思っていたので、自然素材の扱いを得意とする芦野組さんにお願いしました」。
音の反響を考えたリブ形状の天井や、スピーカーの動きをスムーズにするレンガと余計な共鳴を抑えるためのゴムマットの2層構造のステージ、防音率を高めた漆喰の塗り壁など、細かく工夫。Bさんの綿密な計算と、それを実現する芦野組の確かな技術によって「音楽堂の響きを持つ住まい」が完成しました。
「芦野組としても、音楽堂をテーマにした家づくりは初めてで、構造上、可能な限りの広さと高さを実現させました。音響の奥深さを学ぶことができて、ありがたかったです」。やりがいに満ちた仕事で楽しかったと芦野専務は、Bさんとの家づくりを振り返ります。「家の裏手には忠別川が流れ、2階の洋室からは大雪山が望めます。カヌーやスキーは夫婦共通の趣味でもあるので、豊かな自然に囲まれて、のびのびと暮らしています」と奥さん。「音響に関しての知識はさっぱりですけど」と付け足して笑うその表情は、充実に満ちていました。